恋次はオマk。

何故か続いてるんです。

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「ところで修兵さん」


どこがどうなってこうなったのか、副隊長二人と昼食を摂っている。
檜佐木副隊長と阿散井副隊長が向かい合って、私は檜佐木副隊長の隣という構図。
まぁ…ほら、断るに断れなかったし…
でもやっぱり、どことなく周りの視線がイタイ……
あぁ、世の中のお二人の追っかけ取り巻きその他の皆様ごめんなさい………


「何だ?」
「修兵さんとちゃんってどーゆー関係なんすか?」

「ぐっ!!??」

「………っっっ!!!」


お約束のようにげほげほと咽せる私たち。
い、いきなり何を言い出すんだ阿散井副隊長!!!


「ベっ、別にどういう…っ…けほっ……とかそんなじゃなくって………上司と部下ですよ…
 ………はぁ……先程も言ったじゃないですか」

「修兵さんが乱菊サンとか雛森とか以外に
 女の子飯に誘うのも珍しいからどうなのかぐぁっ??!!」


「黙って食え恋次」


…どうやら、檜佐木副隊長が阿散井副隊長の脛を蹴ったらしい。
現に目の前の彼はうぐぉぉぉ……とか言いながら片脚を抱えて唸っている。
………草履だからまだましだろうけど痛そうだ………


「だ、だってやっぱ気にながっ!!」

「……」

「ちょ、修兵さんいでぇっ!!」

「……」


かたや何かを言おうとすると蹴られる人、
かたや黙々と食べ続けつつ蹴る人。
そして私は、止めるべきなんだろうけど間に入れない人…


「しゅ、しゅーへーさだっ!!」

「………」

「……あ、あの、そろそろ………」


やめられたほうが、と続けられない…………怖くて。
阿散井副隊長、小心者でごめんなさい……


「す、すんませんっした………」


痛みを堪えながらどうにか口にした謝罪の言葉で、やっと止む机の下の攻撃。
それと同時に私も胸を撫で下ろす。
…だって、横でこんなこと起きてるのって怖いし。


「妙な事言うお前が悪い」


言い終わったと同時に食事も終えたようで、隣人はがたんと席を立つ。
本人曰く「少し仕事があるから先に戻る」そうで。


「恋次、に妙な事吹き込むなよ」


……妙な事はなんなのか、いまいち判らないけど
檜佐木副隊長はしっかりと何か釘を刺して去って行った。
そう言えば、今の呼び方は普通に『』だったなぁ……


「大丈夫ですか?」


脚、と聞くと、阿散井副隊長は笑いながら。


「平気って言いてえけど、けっこー痛ぇ」

「…なんか、たくさん蹴られてましたもんね…」

「修兵さんも手加減してくれりゃいーのに」

「そもそも蹴られなければ一番いいんですよ」


そういって他愛もない話を続けるうちに、私たちも食事は終了。
食器を片しているときに、阿散井副隊長が思い出したように言ってきた。


「あ、そうだ。今から修兵さんとこ行くんだろ?」

「はい、先程の書類を取りに」

「ぜってぇ名前で呼ぶぜ、修兵さん」


へ?と思っていると「じゃあな、また」と片手を上げて去っていった。
とりあえず会釈をして(見えてないだろうけど)、九番隊副官室へ向かった。







「わっ?!」

「っと、いたのか。つーか「わっ」て何だ「わっ」て」


いつものように扉を叩こうとした瞬間、すっと開いて中から人が出てきた。
勿論出てきたのは檜佐木副隊長なのだけど。


「いえ、ちょっとぼーっとしてまして…つい驚いてしまいました」


すみません、と謝れば、気ぃつけろよ、と笑われた。
あ、なんか今の仕方ないなぁって感じで笑った顔、好きかも。


「じゃ、書類頂いていきますね」


そう断って部屋に入り、目的の物を手にしたときに入り口から一言。


「あぁ、その横の書類もついでに持ってってくれ」


……阿散井副隊長、正解です。呼ばれました。
なんて思いながら檜佐木副隊長を見てると、いぶかしんだ顔を向けてきた。
…そりゃそうか。


「いえ、先程阿散井副隊長に『後で名前で呼ばれる』って言われて本当だったもので…」


そう告げると、彼は違うほうを向いて何かを呟いた。
ちょっと離れてたし、小さい声だったから何て言ったのかは聞き取れなかったけど。
とりあえず、言われた書類も抱えて部屋を出て。
なんとなしに副隊長を見上げると、ぱちっと目が合った。


「また機会がありゃ飯行くか」


…本当に、この人は不意打ちばっかり仕掛けてくる。
きっと同じ隊の交流って感じで言ってるんだろうけど。
それでも嬉しさは出てくるもので。


「……はい、そのときはご一緒させて頂きます」


自然と、頬が緩んでた。




―――――ところで後日聞いた話によると。
ある一日の九番隊副隊長の食費は全て六番隊副隊長持ちだったとかなんとか。


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途中は恋次夢に見えなくもないかもしれないとか思わなくもない(どっちや)
でも実はこっちは恋次をいじめたかったんでs(ry)

窓は殺してください。